2017年から授業「地域デザイン」の課題として調査しており、
「枯死して跡形もない」とされ、消えた天然記念物と云われていた「ブドウハゼの原木」が、本日 2020年1月23日に 和歌山県指定の天然記念物に再登録されました。
自分たちが関わった探究で「一度解除された天然記念物が再登録される」という歴史的瞬間に立ち会おうと、DNA調査を行ってくださった県立向陽高校の3年生の生徒さんたちも受験で忙しいなか同席して県からの登録を伝える電話を待ちました。
登録の報告を聞いた生徒たちは、「本当に登録されるとは夢のようです」と喜んでいました。
私たちが探究を始めた当初、地域で原木の現存を知る人はほとんどいませんでした。しかし、「ハゼや棕櫚のおかげで女学校を卒業出来た」と語るおばあさんとの出会いで、林の資源(特用林産物)が地域にもたらした富は人材育成に還元され、地域の宝になっているのだと感じました。 90年前に登録された時の文献には、「周辺を棕櫚や竹の造林に覆われ、これが(一時和歌山の財政を支えた)光輝ある葡萄櫨の原木か。と訪れる人を寂しい思いにしている」とあります。
その文章は、まさしく私たちが見た状況でした。 今回、原木は60年以上忘れられてきた時期を終え、再び天然記念物として地域の宝となりました。今後永く地域の方に愛されることを祈っています。
これまでの調査の様子を綴ったブログ記事